SUNRISE Music Publishing

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2014年3月20日

デザイン・ザ・ミュージック (3)

ようやく春らしい季節になってきましたね。と同時に、あのニクいやつの季節・・。
今年の花粉はそれほど多くないという予想ですが
飲み薬と、昨年につづき噴霧型の点鼻薬で乗り切ろうと思います。

さて、長々と引っ張ってしまった(連載?)ブログですが
今回で最終回ですのでどうかお付き合いを。

【つづき】
スタジオへ到着したスコット・ハルさん。
何度かご一緒されているレコード会社プロデューサーの方との再会の挨拶のあと、私も紹介して頂きました。
簡単な会話を交わすと、ハルさんはとても気さくな方で
なるほど、私達を温かく迎え入れてくれるこのスタジオのアットホームな雰囲気は
ハルさんの人柄が作っているのだと気づいたのでした。

早速、今回マスタリングをお願いするアルバムの趣旨がプロデューサーの方から説明されました。
以前ハルさんがシングル用としてマスタリングされた事のある曲も収録されるので、
当時はどのようなマスタリングを施したかをチェックするため、シングルCDを聴くことに。
少し聴くと「OK」と言って、手早くアルバム用の音源を取り込み始め、収録1曲目の曲を流し始めました。

音を出し始めてからの約2分間、あっという間に的確に目指す方向に音を導いていく様は
まるでイリュージョンでも見ているようでした!
例えるなら・・ビリヤードプレイヤーが手玉を軽く打っただけなのに
気づけば6つのポケットに次々とボールが収まっていく「トリックショット」ような。

あっという間に1曲の音の方向性が決まり、続いて2曲目へ。
同じように曲の前半で音を決め、そのまま聴き通すとさらに次の曲へ・・。
そうして7曲目まで続けたところで
不意にハルさんが「OK!」と言い、昼食に行こうとのこと。

「えっ、今?」
と思ったのですが、彼曰く音の方向は決まったから
あとの作業は昼食後に、とのことでした。
なんとも豪快というか、アメリカっぽいというか。

そして、近所のカフェで昼食をすませ、スタジオへ戻り後半の作業・・
かと思うとそうではなく、なんと1曲目からスタート・・!
「え?なぜ?」
と思うと、どうやら午前の作業はあくまで全体的な曲の特性を見極めていただけで
ここから一つ一つ細かく作りこんでいくのです。


これまで「マスタリング=調整」という感覚で接してきた自分を恥じました。
今回気づくことができたのは、マスタリングは音を「デザイン」していく作業だということ。
ミュージシャンやアレンジャー、ミックスエンジニアたちが作り出した「原石」を
最終的にどういったカットによって光らせるか。
とても重要なものだと、再確認しました。
というわけで・・価値観が変わってしまうほど有意義な出張となりました。


さて、価値観が変わる、といえばこちらも・・。
オイスターバーでの写真です。
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「アメリカの牡蠣は大味なんじゃないの?」などと考えていた自分を恥じたのでした・・。

<了>